第13話 UC.0079.09.26<遭遇戦>
4日間の訓練の後、改修の完了したバミューダで、ルナ2周辺宙域の哨戒任務を兼ねて模擬戦闘訓練を行うことになった。
改修といっても、サラミスの側面にモビルスーツを固定できる簡易デッキを付けて、射出用カタパルトを装備した間に合わせ的なもので、モビルスーツを運用できる母艦とは程遠いものだ。
ジャック 「それじゃあ、早速訓練に入るか・・・。俺がRX-77でウォーレンがRGM-79で出る。今回の訓練では、ペイント弾は使用せず、各武装のロックオンしたデータで解析して行うから、セーフティを確認しとけよ。」
ソフィ 「想定は、RX-77がジオン機の設定でバミューダを敵母艦に設定。RGM-79は敵モビルスーツを突破して、敵母艦へ攻撃を行ってください。」
ジャック 「了解。ウォーレン、突破できるもんならやってみな。」
ウォーレン 「了ー解。ジャック、コイツの運動性ならRX-77なんて振り切ってみせますよ。」
模擬戦開始
ウォーレン 「ウォーレン機、RGM-79出るぞ!」
RGM-79がカタパルトから射出される。バミューダは回頭し、距離を取る。
ソフィ 「ジャック、いいわよ。バミューダはここから距離80のところで待機するわ。」
ジャック 「ジャック機、行くぞ!」
少し離れたところで、RGM-79のバーニアの光が確認できる。
ジャック 「さて、まずはっと・・・」
RX-77をRGM-79に向かって最大出力で移動させる。ウォーレンも最大出力でこちらに向かっているため、その距離は一瞬で縮まった。
ウォーレン 「なっ、・・・」
ジャック 「もらった!」
ピーッ!
ロックオンの警告音が鳴った瞬間、RX-77とRGM-79がすれ違う。ウォーレンは慌ててRGM-79を反転させようと、急制動をかけて反転した瞬間、再びロックオンの警告音が鳴る。
反転で動きを止めたRGM-79の頭上を飛び越える形で、正面からRX-77が通り過ぎてゆく。
ウォーレン 「ちぃー、させるか!このまま後ろを取れば・・・」
反射的にシールドを正面に構え、宙返りをさせる形でRX-77を追うRGM-79.
ジャック 「ほぅ、いい反応じゃないか・・・」
ウォーレン 「くっ、」
ウォーレンは、頭上を飛び越えたRX-77を後方から狙おうと考えていた。だがRX-77はRGM-79を中心に円を描くように移動していたため、お互いが正対した状態になっていた。
ビームライフルを構えようとするRGM-79の銃身をRX-77の左手が押さえている。
RX-77の肩部のキャノン砲が、RGM-79に向けられる。
ピーッ!
ジャック 「チェックメイトだ、ウォーレン。」
ウォーレン 「・・・。くっそー、もう一回だ、もう一度やらせてくれっ。」
ジャック 「何度でも構わんが、もっと相手の動きを予測して動け。敵に接近するときも、あんな直線的な動きじゃ駄目だ。」
ウォーレン 「了解。・・・?っ、ジャック、あれって・・・」
ウォーレンが、RGM-79のビームライフルで指した先にムサイ級らしき艦影が見える。モビルスーツを発進させたらしい光が艦後方から2つ光る。
ジャック 「どうやら、みつかったようだな。ウォーレン、セイフティ解除だ。敵も2機のようだし、このまま実戦に入るぞ。どの道、見逃してはくれまい。」
ウォーレン 「へっ、こっちの方が俺には向いてるぜ。各個に撃破ってことでいいよな?」
ジャック 「あぁ、フォーメーションもなにも訓練してないからな。俺が左、お前は右だ。」
散開すると同時に、今まで居た近辺をムサイ級のメガ粒子砲が通過していく。メインカメラが捉えた敵モビルスーツのデータが解析されモニターに結果が映し出される。・・・MS06・・・ザクⅡと判明。
ウォーレン機の見ると、先ほどの反省からか、ジグザグに移動しながら敵機に向かっている。
ジャック 「ちゃんと学習してるじゃないか。さて、コイツの照準がどの程度正確かだが・・・」
ジャックは、ヘッドレストの横から精密射撃用の照準スコープを引き出すと、こちらに向かってくるザクⅡに照準を合わせる。火器管制システムは240㎜キャノン砲を選択している。
ジャック 「中距離支援機なんでね。射程のアドバンテージはこちらにある。」
トリガーボタンを押すと、ザクⅡに向かって240㎜キャノン砲が火を噴く。が、ザクⅡをかすめて弾丸は通り過ぎていく。
ジャック 「ちっ!まだ、照準は甘いようだな・・・」
そうつぶやくと、RX-77を右にに回避運動をさせる。そこへザクマシンガンの弾丸が通り過ぎていく。火器管制システムをビームライフルに切り替え、回避運動をした体制からビームライフルを構え、片手でビームライフルを発射する。
ザクⅡもマシンガンを撃った後に、軌道を変えながらこちらに向かっていたが、その軌道を読んでジャックは射撃を行った。ザクの左足にビームが命中し、バランスを失ったザクⅡは、回転しながらこちらに向かってくる。その距離はほとんどない。あわててバーニアとAMBAC(アンバック)で姿勢を制御しようとザクⅡは動きを止める。
ジャック 「悪いが、終わらせてもらう!」
2門の240㎜キャノン砲の砲弾が、ザクⅡを貫く。ザクⅡは光に包まれ四散していく。
ジャック 「ウォーレンは・・・まぁ、アイツのことだから大丈夫か。」
ジャックはRX-77をムサイ級に向かわせる。ムサイ級はメガ粒子砲で応戦してくるが、モビルスーツを捉えられるはずもない。しかし、万が一を考えジャックは下へ回り込み、ビームライフルを船体へ撃ち込む。一発、二発。そしてエンジン部へ撃ち込むとムサイ級は炎に包まれた。
ジャックがムサイ級を沈めている頃、ウォーレン機はザクⅡと交戦していた。RGM-79の機動性はザクⅡを上回っていた。マシンガンを撃つ度にRGM-79は、その弾丸を交わしていく。残念ながら、ジャックのように回避運動を行いながら射撃を行えるほどウォーレンは宇宙に慣れていなかった。ザクⅡのパイロットは、細かな連射を繰り返すことで、攻撃の機会を与えないようにしていた。
ウォーレン 「ちぃっ、ゆっくり照準を付けさせてはくれないってか・・・」
ザクⅡのパイロットも、RGM-79の機動性を認めたのか、被弾覚悟で接近戦に持ち込もうと距離を詰めにかかる。
ウォーレン 「?!、これなら!」
RGM-79のビームライフルが閃光を放つ。見事にザクⅡの胴体中央に命中すると、ザクⅡは閃光に貫かれ、動きを止めたかと思うと爆発した。多少の被弾覚悟のつもりが、一撃が命取りになったのだ。
ウォーレン 「ふーっ、ジャック聞こえますか?。こちらも片付きましたよ。どうします?このまま訓練を再開しますか?」
ジャック 「・・・ザッ、・・こちらも片付いた。・・ザッ・んだし、一度、バミューダ・・戻って・・・」
ウォーレン 「ミノフスキー粒子の濃度が結構濃いな・・・。了解、バミューダに帰還します。」
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