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第2話 UC.0079.05.17<シミュレーター>

AM08:30
「ピピッ、ピピッ、ピピッ・・」
呼出音の後、スピーカーのスイッチがONになり、女性仕官の声が響く。

女性仕官 「マクダウェル少尉、よろしいでしょうか?」

ジャック 「起きてるよ。」

モニターがONになり、女性仕官の顔が映し出される。

女性仕官 「早速ですが、シミュレーションルームの準備が出来ていますので、30分後にB-2ブロックのシミュレーションルームまでいらっしゃって下さい。」

ジャック 「了解した。B-2ブロックだな?」

女性仕官 「はい、ではお願いいたします。」

20分後、シミュレーションルーム。

ジャック 「ここか?」

コクピットらしきものにフードが取付けられ、正面とサイドにモニターが見える。横と後ろが開いているので、まるでゲームセンターのようだ。それが3機並んでいる。
ゲームセンターと違うのは、その機械からやたらとケーブルが出ているところぐらいか・・・
覗き込んで、コクピットの操縦系を見てみる。確かに、どちらかと言えばというより、まるっきり戦闘機のコクピットに近い。

程なくして、先ほどの女性仕官とパイロットらしき数人が入ってくる。

女性仕官 「マクダウェル少尉ですね。ソフィア=フェアレル技術少尉です。」

ジャック 「あぁ、ジャックでいいよ。それでアレがシミュレーターって奴かい?」

ソフィ  「えぇ、そうです。マクダウェル少尉殿。」

(どうやら、お堅いタイプのようだ。まぁ、ジャブロー本部に勤務している連中なんてエリートばっかりだろうしな・・・)

ソフィ  「こちらは、一週間前からシミュレーターを使用しているケンプ少尉、アーロン曹長、キタムラ曹長、ジャミル伍長です。」

ソフィ  「それでは、早速ですがシミュレーター試験を開始します。マクダウェル少尉は初めてですので、操作方法を覚えるために見学していただきます。ケンプ少尉は1号機、アーロン曹長は2号機、ジャミル伍長は3号機。」

シミュレーターの電源が入れられ、正面と左右のモニターに宇宙空間が映し出される。
Dscf0241







ジャック 「さっきコクピットを見たが、ほとんど戦闘機のそれと変わらないようだったが、あんなもんで人型をコントロール出来るのかい?曹長。」

キタムラ 「えぇ、実際の細かい制御はコンピュータが判断するのだそうですよ。ジオンのザクも似たようなもんらしいです。ちょっと複雑なゲーム機程度ですよ、マクダウェル少尉。」

ジャック 「ジャックでいいよ。・・・で、なんで宇宙空間なんだ?これなら宇宙戦闘機と変わらないと思うんだが・・・」

キタムラ 「さぁ、そこまでは・・・」

ソフィ  「もちろん、地上でのシミュレーションも行います。現状では試作機が完成していないので、機体重量による重力下での影響値が未定のため、宇宙空間でシミュレーションしています。」

まるで、その位常識でしょう?と言わんばかりの勢いでソフィが割って入った。

ソフィ  「モビルスーツは、機体の姿勢制御にAMBAC(アンバック)を利用します。戦闘機とは全く異なった操縦性になります。このシミュレーターは隣の工場にある実際の手足につながっていて、その反応でフィードバックされています。更に、現在予定されている機体各部の姿勢制御バーニアの推力も計算されて、」

ジャック 「わかったよ。要するに単なるゲーム機ではないってことだろう?」

ソフィ  「・・・・。」

ジャミル 「くそっ、横に回りこんだザクをロックオンしようとしたら、機体が一回転しやがった!。また制御プログラムのバグかぁ?」

整備兵 「バカヤローっ!レバーを急に入れすぎだっ。制御のせいにするんじゃねぇよ。」

整備兵がインカムを床に叩きつけて、シミュレーターの方に歩いてくる。

整備兵 「いいかっ、横の敵機に対しては、ロックオンを切り替えてからレバーを入れるか、もっと丁寧にレバーを入れて正面のモニターに捉えてからじゃないと、機体がどっちを狙えばいいかわからないだろうがっ!」

(まるで、ゲームセンターの何とか名人みたいな台詞だな・・・まぁ、言ってる理屈は正しいんだろうが・・・)

ソフィ  「ちょっと兄さん・・・」

整備兵 「何だよ。・・・あぁ、」

整備兵は、姿勢を正すとこちらに向かって敬礼をした。

整備兵 「失礼しました。グレッグ=フェアレル曹長であります。」

(・・・ん?フェアレル??さっき「兄さん」って言ったよな?)

ソフィ  「私の兄で、モビルスーツのOSの開発を担当しています・・・」

バツが悪そうに、紹介される。

ジャック 「あぁ?よろしく。」
(それにしても、妹と違ってコチラはお堅いタイプではなさそうだな・・・というより正反対な気が・・・。にしても、妹が技術少尉で、兄が曹長って、連邦のお偉いさんも惨いことを・・・)

グレッグ 「少尉の噂は聞いていますよ。ルウムでザクを撃墜したって・・・」

握手を求めながら、グレッグは興味津々の顔をしている。

キタムラ 「あっ、自分も聞いております。セイバーフィッシュでザクを撃墜したって・・・」

(なんだ?この展開は・・・)

グレッグ 「ぜひ、今後の開発の参考になりますので、その時の状況を。」

ジャミル 「自分も聞きたいであります。」

いつの間にか、他のパイロットまでシミュレーターを降りて集まって来ている。

ジャック 「あんまりいい思い出じゃないんだがね。」

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