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第3話 UC.0079.01.15<ルウム戦役>

サイド5 通称ルウム・・・
連邦宇宙軍内はピリピリしていた。
一週間前のジオン軍のコロニー落としによって30億人が死亡し、それを阻止出来なかった連邦宇宙軍に対する批判は集中した。
だが、スペースノイドの自立を掲げたジオン公国が、コロニーの住民を犠牲にしたことで、各コロニーからはジオンに対する反発も強くなっていた。
そして、今またジオン軍が、サイド5のコロニーを使ってコロニー落としをするという情報が入ったからだ。・・・今度負ければ、連邦軍の信用は失墜するであろう。

戦端は艦隊戦によって開かれた。連邦軍艦隊は、その圧倒的な数と火力でジオン軍艦隊を殲滅する予定だった。
俺たちは、艦隊の後方のコロンブス級輸送艦の中で待機していた。敵艦隊が戦闘機を発進させた場合、迎撃するのが、今回の任務だ。だが、さすがに敵艦隊の3倍の戦力を有する今回の戦闘では、俺たちの出番はほとんどないかも知れない。

そう思っていた矢先に、敵機接近の警報が鳴り響く。

(・・・どういうことだ?艦隊戦の真っ只中を戦闘機が突っ切ってきたっていうのか?それとも別働隊がいたのか?)

押していたハズの連邦軍の艦艇が前方から次々と沈められていく・・・

(・・・何が起こっている?・・・)

スクランブル発進の合図で、セイバーフィッシュ隊が発進していった。そして我が目を疑った。
・・・人が戦艦を攻撃して撃沈している?・・・あれは、人じゃない!巨大な人型が戦艦を沈めていた。

モビルスーツと呼ばれる兵器だ。先のコロニー落としでも、その存在は確認されていたらしい。だが、実際に目にするのは初めてだ。

「ガガッ・・パープルワ・・ザッ・・・・仕掛ける・・」

先行したセイバーフィッシュ3機が攻撃を仕掛ける。ミノフスキー粒子の影響で通信が聞き取りにくい。
サラミス級に向かって、マシンガンを撃とうとしているザクにミサイルを発射する。が、ミサイルはホーミングせず真っ直ぐにザクの脇をかすめていく。
Owabi






「ザッ・・サイルが、当たらな・・ガッ・・うわぁー・・・」

ザクは、マシンガンをセイバーフィッシュに向かって撃ち、1機が撃墜される。
もう1機がザクの横をすり抜けようとした時、ザクは斧のような武器でセイバーフィッシュに斬りつける。片翼を切断されたセイバーフィッシュは、きりもみ状態でコントロールを失いサラミス級に激突し、爆発した。

気が付けば艦隊のほとんどの艦艇が、敵艦への砲撃よりもモビルスーツへの対空砲火を行っていた。だが、ザクはその対空砲火をすり抜け、接近し攻撃を仕掛けている。

もう1機のセイバーフィッシュが、25㎜機銃でザクに攻撃を仕掛けるが、ほとんどダメージを与えられない。今度は、マシンガンのストックで叩き潰される。今までの戦闘機での戦いの概念では、考えられないことだった。

ジャック 「チッ、どうにかミサイルを当てるしかないってことか・・・」

そう呟くと、ミサイルの2・3・4・5のホーミングを完全にOFFに切替え、ザクに向かっていく。
ザクはこちらに気付いたように、モノアイを光らせ、マシンガンを構える。
マシンガンの銃口が光るのと同時に、セイバーフィッシュの機体を旋回させ横に滑らせながら、ミサイル1を発射する。ミサイル1は、ホーミングせず先ほどと同様にザクの脇をかすめていく。

ジャック 「これならどうだ!」

そのまま機体をきりもみ状態にし、ザクに直進しながらミサイル2・3・4・5を一斉に発射する。
4発のミサイルのうち、2発がザクの右肩と胴体の左下に命中する。

ジャック 「うおぉーー!曲がれーっ!」

きりもみ状態から強引に引き起こして、ザクに激突する寸前でサイバーフィッシュは向きを変える。その直後、ドンッという爆発の衝撃が機体を襲う。
ザクは、右腕がちぎれ飛び、胴体が爆発によって後方へと弾かれていた。そしてサラミス級に激突し、跳ね返って動かなくなった。

(どうやら敵は、ミサイルがホーミングしないことを知っているようだ。それが油断につながった。)

ジャック 「よっしゃぁー。次は?」

キャノピー越しに辺りを見渡すと、既に後方のコロンブス級をも巻き込んだ乱戦状態になりつつある。

ジャック 「?!」

次の瞬間、機体を巨大な銃弾がかすめる。右のサラミス級の爆発を乗り越えるようにして、新たなザクがバズーカを撃ってくる。次の瞬間、爆風がセイバーフィッシュの機体を包む。近接爆発の信管を使っているようだ。
セイバーフィッシュのスピードのおかげで、爆風の直撃は避けられた。

ジャック 「このぉー!」

ザクに向かって、25㎜機銃を撃つ。ダメージを与えられないことは知っている。が、相手に攻撃をさせない牽制くらいにはなるハズだ。
相手のザクも、バズーカのような大きな武器では戦闘機には不利と見たのか、左手には斧のような武器を構えて、右肩のシールドで25㎜機銃の弾を受けている。

(どうする?ヤツもバズーカは戦艦用の装備だろう。このまま撃たなければ、ミサイルをシシールドで防がれたら、あの斧の餌食だな・・・。ミサイルを避けられない距離まで接近しない限り、こっちに勝ち目はない。・・・やるしかない!)

覚悟を決めて、残りのミサイルのホーミングを全てOFFにする。25㎜機銃は撃ち続けたままだ。弾切れになる寸前、機体を振ったことで着弾がそれてザクのモノアイを打ち抜く。
敵はパニックになったのか、バズーカを構えて撃ってきた。こっちもパニックになりながら、間一髪バズーカの弾道を避けてミサイルを全弾発射する。どこに何発当たったかはわからない。数発のミサイルが爆発し、ザクの体が爆発の光に包まれている。
その光を避けた瞬間、ガクッと機体に衝撃が走る。
爆発したザクの手を離れて、宙を彷徨っていた斧が機体左下のブースターに食い込む。
プロペラントが噴出し、機体はコントロールを失う。先ほどまでの機体のダメージが一気に顔を出し、機体は分解を始める。

ジャック 「くっ、ここまでか!」

脱出装置を作動させるが、キャノピーが吹き飛んだだけで、シートが射出されない。飛び降りるしかない・・・
(・・・上も下もない宇宙空間で、飛び降りるってのも変だな?)
非常事態の割りに人間はくだらないことを考えるもんだと、思いながらも内心は恐怖で一杯だった。戦闘スピードで飛んでいる戦闘機から、飛び降りなければならないのだ。
飛び降りた瞬間、セイバーフィッシュは爆発し、その爆風で吹き飛ばされた俺は気を失った。

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