第5話 UC.0079.06.11<コアファイター>
ジャブローに着任して一ヶ月が過ぎようとしていた。
この一ヶ月でシミュレータの数は10機に増えたが、パイロット候補生の数も増え、シミュレータは不足している状態だ。まぁ、最初の頃からいる俺たちは、新しいシミュレーションパターンが追加されない限り、使う必要もないんだが・・・。
グレッグの話では、モビルスーツの方は基本設計は完了し、ほぼ形になってきたと言っていた。後はOSの再調整で、徹夜続きだともぼやいていた。
モビルスーツは完成したら、基本テストを秘密裏に行うために、サイド7に試作機を持っていくらしいが、グレッグはジャブローに残って量産機の開発に入ると言っていた。
グレッグが眠そうな顔で頭を掻きながら歩いてくる。
グレッグ 「さっきお偉いさんが話してたんだが・・・テストパイロットはヴェルツ中尉とケンプ少尉、キタムラ曹長を予定しているらしい。」
ジャック 「ほぅ。まっ無難なとこだな。」
グレッグ 「ジャック、俺はパイロットとしてはお前さんの方が優秀だと思うんだが・・・。どうも、お偉いさんのウケは悪いみたいだな。」
ジャック 「別に今に始まったことじゃないしね。テストパイロットって柄じゃないし・・・そんなことより、忙しいんじゃないのかい?」
グレッグ 「あぁ、一通りは片付いたよ。で、お前さんに頼みがあってな。」
グレッグは、あっちへと親指で合図して歩き出した。一緒に歩きながら会話を続ける。向かう先は隣のモビルスーツ試験を行っているハンガーだ。
ジャック 「んっ?俺に頼み?金ならないぞ!」
グレッグ 「んなこたぁ、わかってるよ!実は、コクピットシステムに小型の戦闘機を使うって言い出しやがって・・・試作機が出来てるんで、使い物になるか試してもらいたいんだよ。」
FF-X7:コアファイター 何でも箱型に変形して、モビルスーツの胴体に納まる小型の戦闘機だそうだ。小型機のクセに熱核ジェットロケットエンジンを搭載していて、結構な推力があるようだ。
ジャック 「これか?その試して欲しい戦闘機ってのは。」
グレッグ 「そうだ。単体の戦闘機としてそれなりの性能じゃないと、意味がないらしい。何でも脱出カプセルがわりになるらしいからな。本物の戦闘機乗りの意見を聞かせて欲しい。」
ジャック 「ふーん、まっいいや。ここんとこシミュレータばっかりで、たまには実機に乗りたかったとこだし・・・」
グレッグ 「基本的な操縦系は、今までのシミュレータと一緒だ。まっ、モビルスーツのコクピットになるんだから、当然なんだが・・・」
ジャブローは、地下に施設があるため、エレベーターで移動して外部へ通じる滑走路へ出る。滑走路といってもカモフラージュされた地下にあり、発進時に出入口のハッチが開く。
ジャック 「コントロール、こちらFFX-7試験機。今から上昇テストを開始する。」
「コントロールよりFFX-7。了解した。一応、連邦の制空権内とはいえ注意されたし。」
ジャック 「了解。発進する。V1、VR・・・V2!」
ハッチから飛び出したコアファイターは上昇を開始する。
ジャック 「9500・・10000・・・10500・・・・11000・・・・、機体各部異常なし。降下して運動性を試してみるか?」
コアファイターを急降下させながら、左右に旋回させる。
ジャック 「変形するって言ってたが、意外と機体強度はあるみたいだな。」
「コントロールよりFFX-7。ジオンの定期便が来た様だ。至急帰還されたし。」
ジオンの定期便・・・ジオン軍のキャリフォルニアベースからの爆撃部隊だ。
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