第11話 UC.0079.09.20<宇宙(そら)へ>
地球連邦軍本部ジャブロー 宇宙船ドック
先のルウム戦役において、数多くの艦艇を失った地球連邦軍は、急ピッチで艦艇の建造を行っていた。
ルウムでの反省を活かし、モビルスーツを運用するための空母としてコロンブス級を空母化したアンティータム級や、マゼラン級に開放型のフライトデッキを追加したトラファルガ級も建造されている。
UC.0079.0918 サイド7でテストを終えた試作機が、ジオンの赤い彗星(シャア=アズナブル少佐)の部隊に襲われ交戦になり、その後情報が入ってこない。
ジャック 「よりによって、赤い彗星とは・・・」
ソフィ 「無事だといいんだけど・・・」
ジャック 「ヴェルツもケンプも優秀なパイロットだ。そう簡単にやられたりしないだろ?」
(・・・・赤い彗星か・・・直接戦ったわけじゃないから、どの程度なのかわからんが・・・)
ジャック 「ココで心配しててもしょうがない。それより、俺たちはどの船で宇宙に上がるんだ?」
ソフィ 「トラファルガ級で、モビルスーツの運用が出来るよう改造艦を用意するって話だったけど、建造が遅れてて、まずはサラミス級のバミューダでルナ2に行くことになってるわ。」
キム 「サラミスってモビルスーツ積めませんよね?」
ソフィ 「カプセルのかわりにカーゴコンテナを取り付けてあるそうよ。」
ジャブロー宇宙港・・・港といっても、ブースターを付けた宇宙艦艇を打ち上げるのでロケット発射場である。地下から打ち上げを行うその施設は、さながらICBMの発射施設のようである。
管制官A 「乗員の搭乗完了。全システム正常。作業員は退避。」
管制官B 「上空進路クリア。航空警戒部隊は出ているな?」
管制官C 「上空警戒部隊より連絡。敵影なし。」
管制官A 「カウントダウン開始、30、29・・・・12、11・・・・4、3、2、GO!」
轟音と共に、サラミス級がゆっくりと上がっていく。徐々に加速がかかり、成層圏を突破していく。
宇宙空間に入り、ブースターが切り離される。
サラミス艦長 「総員、第2戦闘配備で待機。ルナ2からの出迎えが来ているハズだ。」
サラミスのオペレータ 「ランデブー予定ポイントまで距離5000。現在の加速でおよそ15分で接触の予定。」
サラミス艦長 「ルナ2まで1日とちょっと。それまでにジオンのパトロール艦と出会わなければ・・・・」
・・・15分後
サラミスのオペレータ 「前方に艦影2、ルナ2からのサラミスです。」
サラミス艦長 「どうやら、ここまでは無事に来れたな。さすがに3隻のサラミス級を相手なら、ジオンも易々とは仕掛けてこんだろう・・!っ」
次の瞬間、光が前方のサラミス級に向かって数本走る。
その内の1本がサラミス級の左前部の主砲に当たる。
サラミスのオペレータ 「ムサイです!ジ、ジオンのパトロール艦です!ムサイ2!!」
ジャック 「ちっ、ウォーレン行くぞ!モビルスーツで迎撃に出る。敵もモビルスーツを出してくるハズだ。」
ソフィ 「ちょっ、ジャック・・・」
艦長 「いかん、出撃は許可できん。」
ウォーレン 「何でだよ!このままじゃ・・・」
艦長 「貴官らは、ここで機密であるモビルスーツを敵にお披露目してやるというのか?貴官らの任務はルナ2に着いてからだ。ここは我々に任せてもらおう。」
ジャック 「突破出来るとでも?・・・」
艦長 「伊達にルウム戦役以降、ルナ2まで往復している訳じゃない。それに、モビルスーツはカーゴコンテナの中だ。弾薬すら装填されていまい。」
ジャック 「わかった。CICに行く。砲撃は任してくれ、後は任せた。」
艦長 「敵艦に対し、横一文字体系を取る。急げ、2射目が来るぞ!」
サラミス級バミューダが敵艦に対し正面を向く。それに合わせるように2隻のサラミス級も正面を向いた。
艦長 「よーし、各艦全速で敵艦の脇を応射しつつすり抜ける。すれ違うまでは牽制でいい、敵艦の周りに散らせ!すれ違い様に後部主砲で狙う。」
ジャック(なるほど。距離を詰めてモビルスーツを出させないように持ち込もうってことか。ムサイは後方には攻撃出来ないから、損害覚悟で攻撃を仕掛けるんだな?)
ウォーレン 「ジャック、どうするんだ?」
ジャック 「すれ違い様に、敵艦のエンジンを狙え!巡洋艦の全速だ、結構速いぞ。予測射撃だ!」
こちらの予定通り、ムサイはモビルスーツを出すタイミングを失っていた。的を散らすことで、どっちに回避運動を取っていいかわからずオロオロしている。意外と当てようと思っていない攻撃の方が当たるもんだ。どの艦が撃ったのかわからないが、ムサイのメガ粒子砲を直撃する。アッと言う間にムサイは目前に迫っている。
ジャック 「今だ!」
バミューダの後部主砲がムサイのエンジンを打ち抜く。エンジンが爆発したムサイはバランスを崩し、隣のムサイに接触する。
・・・ムサイはこちらを追撃できず、無事に突破することが出来た。
ブリッジに戻ったジャックに、艦長が拍手を送る。
艦長 「さすがにいい腕だな。この艦の砲手として雇いたいくらいだ。」
ジャック 「それより、ルナ2までの推進剤は大丈夫なのかい?それと、カーゴコンテナに直撃されることは考えてなかったろう?」
艦長 「カーゴコンテナをわざわざ敵が狙わないだろう?まず当たらんよ。・・・推進剤の方は・・・・・まぁなんとかなるだろ。」
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