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第1話 U.C.0079.05.16<モビルスーツ>

ジオン軍は、2月に地球降下作戦を開始し、地上戦においてもモビルスーツは地球連邦軍の兵器を凌駕した。
結果、全大陸の2/3をジオン軍の支配下に置かれたが、その後は拡大しすぎた戦線のため、両軍とも決定打をなくし、戦争は膠着状態に入った。

ジャブロー・・・・南米大陸、アマゾンに建設された地球連邦軍の本拠地である。

ジャブロー司令部の高官の部屋。着古したあまり洗濯してませんという軍服を着た軍人が部屋に入る。

ジャック 「ジャック=マクダウェル少尉、入ります。」

司令官 「少尉、ようこそジャブローへ。君の戦歴は聞いているよ。先のルウム戦役では、セイバーフィッシュでザクを撃墜し、あの戦闘を生き残った・・・」

ルウム戦役・・・連邦軍の艦隊の50%を失い、ジオン軍の一つ目(モビルスーツ・ザク)に仲間のほとんどを殺されたあの戦い・・・

司令官 「どうだね、ジャブローは。君はコロニー育ちで地球は初めてだろう。この4ヶ月もルナツー勤務で、地球の重力には慣れたかね?」

ジャック (・・・このオッサン、喧嘩売ってるのか?連邦軍の偉いさんは、コロニー生まれに偏見を持ってるってのは本当だな。・・・まぁ、着任早々だし、ここは我慢しとくか・・・)

司令官は、高級そうな革張りの椅子に座り、資料を捲りながら話をしているので、一瞬チッという顔をしたところは見ていない。

ジャック 「えぇ。それで、わざわざそのルナ2からジャブローに呼ばれた任務ってのは?」

司令官 「うむ。我が軍もモビルスーツの開発に着手したことくらいは、君も聞いているだろう。」

ジャック (・・・いや、初耳だ。この戦況を考えれば、モビルスーツに対抗できるのはモビルスーツしかないことくらいは、誰でもわかる。しかし、連邦軍の体制を考えると、早い対応だと思える。・・・それと、俺の任務とどういう関係があるんだ?)

返事をしないジャックに司令官は続ける。

司令官 「一応、鹵獲したザクをベースに、基本設計から見直しを行っている段階なんだが・・・」

司令官がリモコンでモニターを点ける。画面にはどこかの工場のようなところで、ロボットのような機械の腕だけがあり、指や肘が動いている。
Dscf0238_1


<モニターに映されたR&R-M322>


司令官 「まだまだ試作機を作る段階にもなっていないんだが・・・」

ジャック 「ちょっと待ってくださいよ。俺いや自分はパイロットで、そんな技術屋みたいなことは・・・」

司令官 「はっはっは、わかっておるよ。誰も君に技術屋をやれとはいっておらんだろう?」

ジャック 「では?・・」

司令官 「形にはなっとらんが、操縦系のシミュレータは出来上がっている。それを君が操縦して、そのデータを開発部隊が利用する。そのデータをまたシミュレータにフィードバックする。という訳だ。」

ジャック 「はぁ・・・しかし、自分は戦闘機乗りですよ。モビルスーツの操縦なんて・・・」

司令官 「連邦軍にモビルスーツのパイロットなぞ、一人もおらんよ。だからこそ、戦闘機乗りが扱えるようなモビルスーツを造らなければならん。そこで、モビルスーツとの戦闘経験もある君が選ばれた。」

司令官 「それと・・・モビルスーツのパイロットの育成もしなければならないので、君以外に数人のパイロットも、シミュレータでの開発に当たる。よろしくな。」

ジャック 「はっ、では失礼します。」

敬礼をして、部屋を後にして思った。
・・・確かにモビルスーツの開発が急務なのはわかるが・・・戦場からパイロットを引き抜いて、戦局を理解しているんだろうか?

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